‘楽しむ’ カテゴリーのアーカイブ

h.イマジン

2012年6月22日 金曜日

震災から1年の3月11日に、3度めのオープン
極上の音楽とコーヒーを楽しめるジャズ喫茶「h.イマジン」

三陸道大船渡IC入り口近くのショップの一角に、2012年3月11日、震災から1年後のその日にオープンする「h.イマジン」。今回はオープン直前に取材に訪れることができたので、その様子をご紹介していこう。

h.イマジン

この店は敢えてジャンル分けすれば「カフェ」になるだろうが、普通のカフェの感覚で訪れると少し面食らう。店内に入るとまず、巨大なスピーカーとアンプが 鎮座し、壁沿いには数千枚にも及ぶレコードのジャケットが並ぶ。スピーカーから流れるのは、往年の名手がプレイするジャズのスタンダードナンバー。LPレコードならではのバチバチというノイズが、極上のオーディオセットの魅力を引き出している。

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ジャズファン、オーディオファンを魅了するこの店を営んでいるのは、すでに御歳70歳になる冨山氏。名門ホテルのホテルマンとして勤め上げた後、定年を迎え、第二の人生の道筋を考えた時、思い浮かんだのは俗世や今までの“しがらみ”から徹底的に距離を置いた、別の場所での人生だった。移住の地の条件は、大音量で好きなジャズを聴けて、人家がまばらで、雪が少ない場所。最初に選んだのは碁石海岸にあったログハウスだった。東京でコレクションしていたレコードを持ち込み、地元の人々が隠れ家のように使える、秘密めいたジャズ喫茶を始めたという。

h.イマジン
田舎暮らしを特集した全国誌などにも登場する有名店だったが、その店とレコードは、6年後に火災により失われた。命だけは長らえた冨山氏は、ふたたび理想のジャズ喫茶作りに邁進した。隣町の陸前高田市にあった旧役場庁舎を買い上げ、大規模な改装を施して開店。 以前よりも規模も大きく、緑と赤を基調にしたモダンな雰囲気が大いに話題となり、今度こそは軌道に乗るかと思われた。しかし、開業からわずか2ヶ月で、今度は津波に呑まれてしまった。2度の悪夢を体験し、現在は仮設住宅に暮らす冨山氏だが、その表情に絶望は無い。「なるようにしかならない」それが冨山氏の考えだ。3度目の開店に 呆れる友人もいるそうだが、好きなことをして気ままに生きているという自分の姿が、冨山氏にとっては一番の幸せであり活力の源なのである。

h.イマジン
震災後には全国各地のジャズファンやオーディオファン、知人のジャズ喫茶やプレーヤーなどから多くの寄付が寄せられ、店内にはあっという間に 5000枚にも及ぶレコードが揃った。オーディオも東京のオーディオ会社「ヒビノ」から提供されたもので、東京からトラックで運び入れてくれたものだという。「人の温かさが有難い」という冨山氏だが、その人柄の素晴らしさがあるからこそ、多くの善意を呼び寄せているのだろう。

h.イマジン
テーブルにはコーヒー豆の産地をイメージした国旗が飾られており、カウンターにも美しいデザインのスタンドが配されている。この独特なセンスも他の流行のカフェには無いもので、仮に東京都心にこの店があったとしても話題となりそうだ。それが大船渡の国道沿いにあるのだから凄い。

冨山氏が求めるのは、商業ベースに乗った“儲かるカフェ”ではない。一日の多くの時間を過ごす場所を自分好みに仕立て、その“趣味の空間”を開放することだ。あくまでも自分の幸せが上位にあり、幸せをおすそ分けするというスタイルである。訪れる人も、友人の家に訪れる感覚で、気軽に寄ることになるのだろう。

h.イマジン

この店にはメニューが少ない。コーヒーと紅茶、少しのお酒、そして日替わりのパスタ程度ということだ。気まぐれな冨山氏のことなので、開店後もいろいろと変わってゆくに違いない。ただはっきり決まっているのは、コーヒーを自家焙煎し、注文ごとにハンドドリップして提供するということ。それも最高級と言われるブルーマウンテンとハワイコナの生豆を中心に仕入れ、焙煎したばかりの豆で提供するそうだ。ブルーマウンテン、コナともストレートは1,000円となるそうだが、至極の一杯となることだろう。他の銘柄とのブレンドも用意し、こちらは600円で提供。気軽に訪れる際にはブレンドもお薦めだ。雰囲気の良さ、極上のジャズと最高級のオーディオセット。これだけでも十分に魅力的なのだが、一番の魅力は、マスターとの会話の楽しさだろう。

h.イマジン

これまでの説明だと男性客が多いと思われるかもしれないが、訪れるお客さんの大半は女性。冨山氏のウィットに富んだ会話の中には随所に含蓄ある言葉が含まれ、話していると人柄に惹きこまれてしまう。同年代以外の若い人にも屈託なく話しかけてくれ、良き人生のアドバイザーとなってくれるはすだ。自身を「私は よそ者だから」と謙遜する冨山氏だが、2度転んでも3度目に挑むその力強さは、震災から復興に進む三陸の人々にも大きな励みとなっているに違いない。

※大船渡の「h.イマジン」は2013年9月に一旦閉店いたしました。マスターは2014年3月11日に、元のジャズ喫茶があった跡地に、バンガローイン「レインボーサライ」をオープン。

h.イマジン
所在地:岩手県大船渡市立根町岩脇4-6 LOVOA内
電話番号:090-3527-0700
営業時間:10:00~21:00
定休日:不定休
http://love.ap.teacup.com/himagine/

しゃくなげの湯っこ 五葉温泉

2012年6月22日 金曜日

しゃくなげの湯っこ 五葉温泉

2000(平成12)年に開業した、大船渡市北部・日頃市山中にある日帰り温泉施設。五葉山の地下2,000メートルから汲み出す天然温泉で、泉質はアルカリ性単純温泉。美肌効果のほか神経痛や筋肉痛に効果が望める。大船渡中心市街から車で15分ほどの距離にあり、車道もよく整備されていることから市民にとっては最も身近な温泉として知られ、連日多くの地元客でにぎわっている。館内には男女別の大浴場(内湯)とサウナ、休憩用の広間、食堂などが備わっており、清潔感もある。鷹生ダムや野生の鹿生息区も隣接しており、レジャーの拠点としても最適。「盛」駅から定期バスも運行されている。

しゃくなげの湯っこ 五葉温泉
所在地:岩手県大船渡市日頃市町字赤坂西風山1-5 

夏虫のお湯っこ

2012年4月2日 月曜日

夏虫のお湯っこ

夏虫山山麓にある日帰りの人工温泉で、大浴場、泡風呂、薬湯など種類豊富な浴場が魅力。泉質は麦飯石を使用したヘルストン温泉で、腰痛、神経痛、疲労回復などに効果が望める。格安の利用料金でありながら、無料の休憩広間など施設面でも充実しており、広間では名物「しかカレー」などの軽食も食べられる。隣接して「ふるさとふれあい公園」、パラグライダー場、宿泊施設「遊・YOU・亭夏虫」などもあり、レジャーで訪れても1日楽しめる。

夏虫のお湯っこ
所在地:岩手県大船渡市三陸町越喜来小出59-1 
電話番号:0192-44-2600
営業時間:10:00~21:00
定休日:第3水曜日
http://www.echna.ne.jp/~sunfull/oyukko.html

世界の椿館・碁石 第15回つばきまつり

2012年3月8日 木曜日

大船渡市郊外の碁石海岸にある「世界の椿館・碁石」では、例年1月から4月の椿の開花期に合わせて「つばきまつり」を開催。2012(平成24)年で15回目を迎える恒例の祭りとなっている。

世界の椿館・碁石 第15回つばきまつり

2012(平成24)年は厳冬により、例年よりも1か月遅れて2月12日から4月15日の開催となった。市内には各地につばきまつりのポスターが掲示され、市内はもちろん、全国から観光客が訪れて、震災後一番のにぎわいを見せている。祭りは期間中毎日継続されるもので、特に大きなイベントが催されるものではないが、期間中の週末にはミニコンサート、押し花や寄席上の体験イベント、「椿クレープ」の出張販売などが行われる。

世界の椿館・碁石 第15回つばきまつり

取材に訪れたのは開花のピークとなっていた3月初旬の平日。温室内にある世界13か国、約600種類の椿はおよそ8割が開花し、色とりどりに美しさを競っていた。温室に入るとふんわりと優しい香りが漂い、目の前には色とりどりの花を付けた“椿の森”が現れる。私達日本人にとって「椿」のイメージと言えば淡い紅色だが、日ごろよく目にする紅色で一重咲きの椿は、椿の原種にあたるカンツバキ、ヤブツバキなど。しかし、それ以外にも、世界にはさまざまな色や形の椿が存在するそうだ。

世界の椿館・碁石 第15回つばきまつり

ここに展示されている椿の内訳は、「原種」と呼ばれる野生種が和種5種類、洋種20種類。それを園芸用に改良した「園芸種」となれば、和種460種類、洋種115種類にもなる。その割合を見ても、いかに椿の花が日本人に愛されてきたかが分かる。冬によく見るサザンカや、日本茶や紅茶の原料となるチャノキもツバキ科ということだ。園内を散策していると、同じ椿でもずいぶんと枝ぶりや幹の色、花の付き方が違うことに気づく。こうして一度に多くの椿の開花を見られるのも、温室内で管理されているからこそ。珍しい椿としては、椿の原種にあたるものの一種「金花茶」があるそうだが、これは30年ほど前に中国で発見され「幻の椿」などと話題になったもので、温室内にも数本植えられており、ちょうど開花期を迎えていた。園芸種のような派手さは無いが、上品な淡い黄色の花が下向きに咲き、なんともはかなげである。

世界の椿館・碁石 第15回つばきまつり
温室内に咲く世界の椿は、それぞれの気候や土壌に合わせるためか多くが鉢植えにされており、枝の剪定、咲き終えた花の摘花など、隅々まで手入れが行き届いているため野生の椿と比べても一皮剥けたような美しさがある。通常であれば朽ちた花や風雨で傷ついた花も交じってしまうので、これほど美しい椿の森を楽しめるのも、温室ならではの魅力だろう。この椿館も3.11震災の際には損壊被害があり、何よりもその後の2ヶ月にわたる断水で苦難を強いられたそうだが、思い切った剪定を施して乾燥に耐え、1年後には美しい花を咲かせた。その生命力のたくましさは、大船渡の人々にとっても大きな励みとなっているようだ。

世界の椿館・碁石 第15回つばきまつり
なお、「世界の椿館・碁石」の入館料は季節ごとに変動し、1月からの開花期の入館料は大人500円、小中学生300円などとなる(開花していない時期は大幅に割引される)。高く感じる人もあるかもしれないが、これほど手入れが行き届いていることを考えればむしろリーズナブル。チケットを購入する際には「共通券にしますか?」と聞かれるが、これは歩いて1分ほどの場所にある「大船渡市立博物館」との共通入館券のこと。わずかなプラス額なので、共通券を選ぶのが賢明だ。

色とりどりの椿が咲く温室内は、さながら“桃源郷”の雰囲気。特に写真撮影を楽しみたい人にとっては理想的な環境だろう。「つばきまつり」期間中には観光バスも多く訪れ混み合うので、できれば平日に訪れて、ゆっくりと椿の奥深さ、美しさを堪能してみたい。

世界の椿館・碁石 第15回つばきまつり
所在地:岩手県大船渡市末崎町字大浜280-1 
電話番号:0192-29-4187
開催期間:2012(平成24)年2月12日~4月15日
営業時間:9:00~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は火曜日)
http://www13.ocn.ne.jp/~goishi/

大船渡出身のシンガーソングライター HAMAさん

2012年3月8日 木曜日

大船渡に生まれ育ち、現在は東京で活躍しているシンガーソングライターの「HAMA」さん。彼女が震災後、本名である濱守栄子の名で出した曲「国道45号線」は現在、岩手県トラック協会のCMソングとして使われるなど、注目を集めている。

シンガーソングライター HAMA(濱守栄子)さん

HAMAさんは、2007年までは岩手県内を拠点にインディーズ活動を行っていたが、2009年に東京に拠点を移してメジャーデビュー。関東と東北の両方でテレビやラジオなど多数のメディア出演やライブ演奏をこなし、ラジオのパーソナリティや各種イベントでの司会など多彩な才能を発揮している人である。2011年1月からは大船渡市の「ふるさと大使」にも任命されている。

そんなHAMAさんであるが、震災後には地元の支援活動に注力し、ほぼ毎週のように大船渡をはじめ被災地を回り、歌声を届ける活動を続けている。今回はそんな活動のひとつ、大船渡屋台村でのミニコンサートの様子をお届けしたい。

シンガーソングライター HAMA(濱守栄子)さん

この日は3月2日、震災までHAMAさんが屋台村にPAというイベント用スピーカーのセットを寄贈。活気を取り戻すために活用してほしいとの願いを込めて渡された。HAMAさんは被災地だけでなく首都圏などでもこうしたミニライブを開き、義捐金集めや情報発信を行い、自身のCDの売り上げからも義捐金を出しているそうだ。

HAMAさんが震災後に出した楽曲には、「震災を忘れないでほしい、大船渡を一度見に来てほしい」というメッセージが乗せられている。

まちづくり復興支援プロジェクト けせんふぇす

2012年3月7日 水曜日

サン・アンドレス公園

東日本大震災では大きな被害を受けた大船渡。そこは、自然豊かで、海の幸、山の幸に恵まれ、人情味溢れた場所。そんな故郷を、自らの手で再生しようと立ち上がったのが、まちづくり復興支援プロジェクト「けせんふぇす」。
未来の輝く故郷を創造するための第一歩として、2012(平成24)年5月、フェスティバルが開催される。被災地における人々の「心の元気」を支える一助となることを願うとともに、県外からも人が集まって来ることによって、災害の風化防止、交流人口の増加、地元への経済効果が期待される。
5月4、5日の両日、ミュージック・ファッションショー・キッズショーなど様々なパフォーマンスが楽しめる「ステージエリア」、美味しいものを食べたりショッピングを楽しめる「ブースエリア」、体験や展示などにより未来の故郷の姿を実感できる「環境未来都市エリア」が設置される予定だ。
会場は、津波の被害も受けた「サン・アンドレス」公園。フェスティバルの開催に向けて、ボランティア等による公園の整備も進んでいるようだ。
東京からのバスツアーもあるようなので、興味のある方は、ぜひ足を運んでみてほしい。

まちづくり復興支援プロジェクト けせんふぇす
所在地:岩手県大船渡市大船渡町 
http://kesenfes.com/