相馬野馬追2012 観戦レポート

南相馬市を中心に相馬市、双葉郡に至る旧相馬藩で、一千有余年の歴史を誇る夏のイベント「相馬野馬追」。国の重要無形民俗文化財にも指定されている。
昨年は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で大きな被害を受けたが、犠牲者への鎮魂の願いを込めて、規模を縮小して開催された。
2年ぶりに例年と同規模での開催となった2012年の相馬野馬追。週末を利用して取材に行ってきたので、その様子を紹介しよう。

■1日目―相馬中村神社

相馬中村神社野馬追初日、最初の行事は、相馬市の相馬中村神社で行われる。
朝8:30~出陣式が行われ、9:30頃からお行列が開始となり、総大将をはじめとする一行は、南相馬市鹿島区の北郷陣屋を目指す。

今回は、8:30~の出陣式には間に合わなかったが、騎馬武者たちが出発した後の相馬中村神社を訪れた。
出陣が終わった後ではあったが、そこかしこに旗が掲げられ、出陣の儀が行われた社務所前には馬の絵が描かれた幕が張られ、厳かな儀式の様子を伺い知ることができる。

■1日目―北郷本陣

相馬野馬追

その後、車で南相馬鹿島区へ向かい、中村神社を出発した一行を先回りするかたちで北郷本陣へ。
北郷本陣では、副大将を中心に、侍たちが揃い、整列して総大将をお迎えする準備が進められていた。お迎え前には、観客との交流の時間も設けられ、侍姿の騎馬武者たちと談笑したり記念撮影したりする人の姿も多く見られた。

相馬野馬追

総大将お迎えにあたっては、何度か「伝令」がやってきて、到着予定時刻を報告する。
3度目の伝令のあとに、いよいよ総大将の到着となる。
今年の総大将は立谷秀清相馬市長。

相馬野馬追

総大将をお迎えした後は、中村神社を出発した宇多勢と北郷勢が合流し、ともに原町区にあるメイン会場、雲雀ヶ原祭場地を目指す。

 

■1日目―雲雀ヶ原祭場地

それぞれの神社を出発した騎馬武者たちが、雲雀ヶ原祭場地に揃うと、馬場清めの儀式のあと、宵乗り競馬が行われる。白鉢巻に袴、陣羽織という姿で馬を走らせる様子は古式競馬の再現といわれている。

 

■2日目―お行列

相馬野馬追朝9:30、原町区小川町から、雲雀ヶ原祭場地を目指して、総勢500騎あまりの騎馬武者たちが行列を行う。
地元の方に聞いたところ、今年は馬が足りず、他から借りて調達し、404頭の馬が参加していたそうだ。

例年に比較すると若干少ないものの、実際に目の前でみるとかなりの迫力。ちなみに、規模を縮小して行った昨年は100頭ほどだったとのこと。

相馬野馬追相馬太田神社、相馬小高神社、そして最後に総大将を擁する相馬中村神社という順番で進んでいく。
お行列を2階から見下ろしたり、行列の前を横切ったりするのはご法度だそうだ。昔ならその場で斬られてもおかしくないほどの無礼な行為。

今回も、行列を横切ろうとした観光客が、侍になりきった騎馬武者に、「無礼者!戻れ!」と厳しい口調でと咎められていた。これも、観光客向けのパフォーマンスの1つということだろう。

相馬野馬追行列の中には、若い女性や子供の姿も目立った。中には、避難先から野馬追のために一時的に南相馬に戻ってきている人もいるそうだ。

 

■2日目―甲冑競馬・神旗争奪戦

行列が雲雀ヶ原祭場地に到着すると、野馬追のメインイベント、甲冑競馬と神旗争奪戦が始まる。

相馬野馬追

白鉢巻を締めた若武者たちが、先祖伝来の旗さし物をなびかせながら、馬にまたがってレースを行う甲冑競馬。
土埃が舞う中、旗さし物が風にたなびく音とともに若武者が疾走する様子は、通常の競馬とは全く違う見ごたえがある。当日は気温も高く日差しも強い中、多くの観客が集まり、騎馬武者の動きに目を凝らしていた。

相馬野馬追

甲冑競馬のあとは、最大の見せ場である神旗争奪戦。
花火とともに天高く打ち上げられたご神旗が、ゆっくりと舞い降りてくると、その旗を奪おうと数百騎の騎馬武者たちがいっせいに群がる。
広い馬場の中で、数百騎の騎馬武者が真剣に旗を奪い合う様子は、まさに戦闘さながらである。

相馬野馬追
見事にご神旗をとった騎馬武者は、旗をかかげながら、本陣山の坂を駆け上がっていく。

 

 

■3日目―小高神社

野馬追最終日には、小高神社にて野馬懸が行われる。
野馬懸は、多くの馬の中から神のおぼし召しにかなう馬を素手で捉えて奉納するという神事で、昔の名残りをとどめる、野馬追の原点ともいわれる行事だ。

小高神社今回は時間の関係で野馬懸までは見学できなかったが、以前訪れた際の小高神社の写真を掲載しておく。
小高神社は、福島第一原発から20km圏内にあり、数か月前までは立ち入りが制限されていた場所である。
2年ぶりの野馬懸にあたり、地元の方たちを中心に懸命の復旧作業が行われ、今回の開催にこぎつけた。

 

■野馬追観戦を終えて

404頭の馬が参加し、ほぼ例年どおりの規模で行われた2012年の野馬追。
初めての見学だったので、例年との比較はできないが、見物客も多く、若者の参加者も目立って、活気・迫力のあるイベントだった。
このような壮大な戦国絵巻を感じさせるイベントが、一千有余年の歴史をもって受け継がれているというところに感動を覚えた。
来年以降も途切れることなく開催されていくはずなので、ぜひ一度、足を運んでみていただきたい。

相馬野馬追2012 観戦レポート
所在地:福島県南相馬市 
http://www6.ocn.ne.jp/~nomaoi/

PAGE TOP

東北に行こう! HOME >
東北に行こう! 相馬 >
みる 楽しむ Pickup > 相馬野馬追2012 観戦レポート

PAGE TOP